第11話

午後6時。定時。


事務の女の子はここで上がる。


資料室の帰り、主任が私の手に握らせたメモ。


『りんどうで待ってて。』


『りんどう』は、会社近くにある喫茶店。


私はレモンティを飲みながら待ってる。


カラーン。昔懐かしいドアにつけられている鐘が鳴り、


「ごめん。待たせて。」


主任が息せききって入ってきた。


スマートに会計を済ませ、


「行こう。乗って。」


主任の車に乗り込んだ。


「俺の好きな店でいい?」


「はい。」

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