第12話

こじんまりした、落ち着きのあるイタリアンレストランだった。


「コースでいい?」


「はい。あの、なんでご馳走して下さるんですか?」


「おいしいコーヒーのお礼。」


「あんなもので?」


「安藤さん、ホントに彼氏いないんだよね。」


「いません。」


「時々こうして食事に付き合ってくれる?」


「主任さえよければ。」


「飲み物はソフトドリンクでいい?」


「ウーロン茶お願いします。」


オーダーを取りに来た店員さんに、主任がテキパキとオーダーする。


素敵だな、主任。


見とれていると、


「安藤さん?」


「あっ。はい。」


「タイプが部長って、ホント?」

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