第10話

午後の業務が始まった。


「奏ちゃん、資料室の説明するね。坂本くん、電話番宜しく。」


「わかりました。」




「ここは、年度順に並べてあって…こっちは会社別。」


「はい。」


「あとは、ここに…」


「はい。」


「で、出入りの時は鍵をすること。」


「はい。わかりました。」


「奏ちゃんて、かわいいよね~。」


「え?」


「オイオイ、木原。セクハラするなよ?」


資料室に入ってきた関さんが言う。


「だって。かわいんだもん。チュウしたくなる。」


「ほら、引いてるよ、安藤さん。

安藤さん、木原、レズではないから。」


「じゃ、もう戻っていいよ。」


先輩に言われ、私はデスクに戻った。

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