第4話

「あ。ちょっと。安藤さん?」


主任の腕をひっぱったものの、足元がフラついて、玄関の上がり口にぺたんと座り込んでしまい、そのため、今、私の目の前に主任の顔がある。


そして、主任は座った状態のまま、私に少し覆い被さった格好になってる。


主任の腕をもったまま、主任の顔を見つめる。


すごく整った顔をしてる。


「主任て、イケメンなんですね。」


「藪から棒に、どうしたの?」


「あんまりじっと見たことなかったから。」


「安藤さんは、かわいい顔してるね。」


「この童顔のせいで、前の彼に『悪いことしてる気がする』からって、フラレたんですよ。」


「そこまで童顔とは思わないよ。ただ、少し歳より若く見えるくらいで。」


「あ、コーヒー。」


「俺が淹れるよ。」

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