第3話

主任はタクシーを拾ってくれ、私たちはタクシーに乗り込んだ。


私の住むマンションは、ここから車で 20分。


「すみません。主任。せめてコーヒーでも…」


「ありがと。でも帰るよ。」


マンションの入り口まで行くのにフラフラしてしまい、


「ちょっと待ってて。安藤さん。」


主任はタクシーの運転手さんに何か言うと、こっちにやってきた。


タクシーはハザードを消し、ウィンカーを出して、道路を走り出した。


「部屋まで送ったら、またタクシー呼ぶよ。」



主任に支えられ、エレベーターに乗り、部屋の前まで行く。


部屋の鍵を開けると、


「ここまで来たら、もう大丈夫かな?」


「コーヒー…」


と言いながら、主任の腕を引っ張り、部屋に入れてしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る