第2話 道教えただけですよね?

 ロシア系美少女の転校生、一つでもかなり強い単語に思えるがそれが3つも付いていたら興味がない人などほとんどいないだろう。

 だから気になるのもわかる、わかるよ?俺も気になったもん…でもさ


「クラスの大半が来るのは違うじゃん?」


 「そう…俺は何故か今さっき転校してきたロシア系美少女『如月 イレーナ』さんの隣と席なのだが…」


「如月さんってどこからきたの?」

「彼氏ってやっぱりいるの?」 

「めっちゃ肌綺麗じゃん!なんの化粧品つかってるの?」

「結婚してください」


 (はっきり言おう邪魔であると)


「俺は一人で静かなのが好きなのだが…そんな俺がこんなジェット機にも勝るような声を聞くなどはっきり言って拷問に近い」


「はぁ…いつもだったら静かなのでラノベなどを読むのだが、こんなにうるさいと集中もできない」


 あんま好きじゃないんけど…他の場所にでもいくか


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 「やはりここはいい」

 いま俺は屋上の入口にいる


 この学校は屋上が禁止のため人が来なく、禁止と言っても屋上が禁止であって屋上以外は大丈夫なので知ってる人が数少ない秘密のスポットなのである


 やっと静かに小説を読める

「俺は持ってきた小説に手をかけようとした」


 あ!やっぱここにいた


 げ…


 ずっと探してたのに見つかんないもんだから休んでるかと思ったわ。


 寿ことぶき…お前ってやつはなんでいつもこうタイミングが悪いんだ?


 タイミングって、お前いつも小説読んでるだけだろ?


「この明らかに失礼極まりないやつは手綱身たづなみ寿ことぶき中学からの仲で、俺の唯一の親友だ」


 こちとら朝から転校してきたやつのせいでうるさくて小説も見るのにも集中できなくてたまったもんじゃないんだ

  

 そういえば学校中で噂になってたな、めっちゃ可愛い転校生が決たって


 来てからまだ時間経ってないのにもうそんな広まってるのか、情報ってのは怖い


 なあなあ、やっぱ噂通り二次元一択のお前でも惚れるくらい可愛いのか?


 舐めるなよ、俺は二次元があればなんでもいいんだ、たとえ嫁だろうとな

 というかそんなどうでもいいことはいい、俺は小説を読みたいんだ早くもどんな


 ちぇ、つめて〜な〜


 はいはい帰りますよ〜


「そう言いながら寿は帰っていく」


 そうだ、今日一緒に帰らないか?昨日美味そうな料理の店見つけたんだよな


 そっか、なら帰り下駄箱付近で集合だな


 よっしゃ!じゃあ送れんなよ〜


 へいへい


 「そう言い残し今度こそ寿は帰っていった」


 てか、話してたらもう休み時間終わりじゃん

 

 「スマホを見てみると気づけば15分近く経っていた」


 そろそろ俺も戻りますかね


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「あれから約6時間、学校が終わった」

 にしても今日は散々だ…


 最初だけだと思ったが、あれから休み時間ずっと転校生の近くに人がめっちゃいたため、結局休み時間屋上に行ったり来たりで大変だった


「てか、そろそろ時間だ」

 スマホを取り出し時間見てみると、もう集合10分前になっていた


 いつもなら時間ピッタくらいに着くのだが何気に楽しみで10分早く来てしまった


 「まぁ気長に待てばいいだろうと、俺は下駄箱に向かい歩いていく」


 えっと…ここからどういくんでしたっけ…アワアワ


「目の前に明らかに困っている人がいた」

 

 あれって確か…如月さん?


「困っていた人は平穏ブレイカーこと今日転校してきたロシア系美少女『如月 イレーナ』さんだった」


 さっきまではあんなに人がいたのに、こういう困っている時に人がいないのはどこか不憫に感じる


 あの、大丈夫ですか?

「俺は気づけば謎の善意がでたのか、言葉をかけていた」


!?


「いきなり声をかけられたからか如月はびっくりしながらこちらを振り向く」


 いや!悪気とかはないんですけど、何か困ってそうだったので


「そういうと如月さんは少し安堵したように話しだした」


 職員室に用があったんですけどどこかわからなくて


 職員室ならあそこの角を曲がったあとまっすぐ進めばありますよ


 そうなんですか!ご親切にありがとうございます!

「彼女はそういうとニコっと笑った」


「前も思ったがはっきり言ってやはり可愛い、寿にああは言ったが俺も誰でも惚れてしまいそうだ」


 じゃあ、俺はこれで


 ちょっと待ってください

「突如、何故か如月さんに止められる」


 え、まだ何かありましたっけ


 あの、れ……れ…

「如月さんの顔が赤くなり何か言いたげそうだ」

 

 連絡先!教えてください!


 ………は?


「急な言葉に俺は唖然としてしまう」


 連絡先…?道教えただけですよ?


 でも、やはりお礼というか…なんというか…

「如月さんは両手の人差し指同士をつつきながら聞き取りづらくゴニョゴニョと話す」


 こういう時ってどうすればいいんだ…!?流石の二次元でもこんな状況なかったぞ

「はっきり言ってこんなの初めてなためどうすればいいかわからない」


 おーーーい市不ー

「突如下駄箱の方から声が聞こえる」


 ごめん如月さん、俺ちょっと用事あるから!

「俺はそう言い残し下駄箱へ向かった」


 あっ!待っt....行っちゃった…

「なんだろう、この感情は」

 

 体が熱くドキドキしてるようにも感じる、こんなの初めてで内心びっくりしている

「でも、なぜこんなことになっているか自分ではわかっている」


 初めて…純粋な気持ちで助けられた…///

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転校してきたロシア系美少女を助けたらいつの間にか好かれていた件 ハトア @Hatoa

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