『反吸血鬼 キラ・ドゥーラ』 その6


  『ふみたい』



 一方、オカルト刑事として、はからずも名を挙げてしまった『ふみたい』も、実は密かに捜査をはじめていたのである。


 ふみたいが、その名のように偉大なのは、最初から『頭』をとりにゆくことであるという。そうして、『んな、ばかなことを。』と言っている幹部を尻目に成功させてしまうところこそが、その真骨頂なのだ。


 にもかかわらず、ふみたいの評価はいまいち高まらない。


 じょうめ地球防衛長官のように目をかける人もいるが、キャリアではないうえに、周囲が反対してなかなか昇進させられないのである。『頭』というのは、幹部たちに顔が利くこともあったりするらしく、あまり捕まえたくない場合も確かにあるのだが。


 しかし、ふみたいは、そもそも昇進なんか眼中にはないし、そうした『そんたく』も『せんたく』もしない。🌀🌀👕


 だが、今回は、さすがのふみたいも、誰がボスなのかを、なかなかつかめてはいなかったのだ。


 ふみたい独自の、オカルト的情報源、たとえば、反地球惑星『我々』の、プリン女王など、を駆使したにもかかわらず、いまだ判ってはいなかった。


 上層部には、『そんな、吸血鬼だとか、マラ・クータだとか、馬鹿馬鹿しい! がら・クータだろ。』と言っている人が多かったのである。


 ふみたいの理解者だった赤血警部補は、移住船に乗って、『宇宙オーケストラ』に、ついていってしまったし。(『オーケストラ宇宙をゆく』参照)


 そこに、ふと、とある、『流浪の民』と呼ばれる情報屋さんから、つまり、情報が入った。


 『銅座町に、マラ・クータの幹部が、良く出てるらしい。』



       🍻












 

 

 

 

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