第59話
『……おい、ちゃんと録れてるかよ?』
『うん、ばっちり♪ そっちは?』
『準備万端でーす』
『マジで? うわ、本当にやっちゃったんだ。ウケる~』
『これくらいやんないとインパクトないって言ったの、お前だろ~?』
『それはそうなんだけどさぁ~。あ、見ろよ。こいつもう泣いてるんだけど』
『え? 嘘だろ、まだ始まってもないのに? おいおい、早すぎだって~』
『何で泣くんだよ~。最終的に「分かった」って言ったのお前じゃん』
『そうそう。だからこれは嫌がらせでも脅しでも何でもない。ただのゲームなんだよ』
『だから気軽にさっさとやっちまえよ。十秒以内にやんないと、この動画ネットにバラまくからな』
『ほら、早く! じゅう~、きゅう~、は~ち、な~な、ろ~く、ごぉ~、よぉ~……あ、始めたぁ!』
『うわうわうわ、本当に始めたよぉ!! あはははは!』
『最後まで、手を緩めるなよ? ほら、もっとしっかりやれって根性なし!』
『あっはははは! もうマジでウケる~!』
『やれやれ、もっとやれ~! ぎゃははははは……!』
『……ぃ。……な、さぃ……』
『ん? 今何か言ったぞ、こいつ?』
『何だよ、もっとでかい声で言えよ。せっかく盛り上がってたのに』
『……ごめんなさい、ごめんなさい。もう許して、許して下、さぃ……』
『許す訳ねーだろ、バーカ! お前は一生、俺達のオモチャなんだからなぁ!!』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます