第3話 転校生ともう1人の転校生

翌日の朝、教室の席に座った私はふと思い出した。

晴には双子の兄と小学生の妹がいた。

ということは、その双子の兄もここに転校して来たのかな。

「おはよう、桃」

晴が私の席の前にやってきた。

「ねえ晴。1つ質問があるんだけどさ、晴って確か、双子のお兄さんいたよね?」

「いるけど、それがどうした?・・・そう言えばお前、アイツに会ったことないのか」

「その人も、ここに転校してる?」

「もちろん。でもあいつ、今日は朝っぱらからなんかやらかしてる見てーだぞ」

晴が廊下を見つめた。

「確かに。廊下がいつもより騒がしいよね」

私と晴と美優の3人は、様子を見に廊下へ出た。

「だれ、あの人」

美優が廊下で何か叫んでいる人を見つめながら晴に聞いた。

「1年3組の雷斗らいとだよ。おれの双子の兄。あいつ、そろそろ先生に怒られるな」

晴が苦笑いしながら言った。

晴の予想は的中し、その後「雷斗」は先生から10分間のお説教をくらった。


「おーい、チビ」

お説教の後、「雷斗」は晴に話しかけた。

「その呼び方いい加減にやめろ」

「で、誰だそこの女子」

「あ、雷斗は会ったことないんだっけ。紹介するよ、こいつは平桃。こっちが桑原美優」

「よろしく!」

「よろしくおねがいします!」

私はお辞儀をした。

「あの、何て呼んだらいいの?」

「別に何でも良いけど」

「じゃあ、雷斗、よろしくね」

そのとき、朝の会開始のチャイムがなったので、私たちは教室に戻った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

START-DASH 1年6組 迷M _りみ @mei_m_rimi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ