第2話 噂の転校生!!
次の日の朝8時15分。
教室は、今日やってくる転校生の話で盛り上がっていた。
私は自分の席に座り、いつものように美優に話しかけた。
「ねえ美優。私、今日来る転校生のこと知ってるような気がするんだよね」
「ええ?そんなことないでしょ。似たような人がいたとしても、必ずその人が来るとはかぎらないし」
美優は驚いた表情で言った。
「やっぱり、気のせいか・・・」
私が考えこんでいると、和泉先生が転校生を連れて教室のドアの前に立っているのが見えた。
井沢先生は、
「みんな席についてー!転校生が来るぞ」
と言ってドアを開けた。
みんなが席についた瞬間、和泉先生が転校生と一緒に教室に入ってきた。
転校生と目があった。転校生が目を見開いたのがわかった。
「ウソでしょ、晴?」
私は口元に手をあてて思わず喋ってしまった。
「自己紹介、よろしく」
井沢先生は、黒板に転校生の名前を書いてから言った。
「横浜から来ました、
転校生の名は、古田晴。
小学生の頃、親の仕事の関係で京都から1年間ニューヨークに行っていたときに出会った私の幼馴染だ。
私は日本に帰った後横浜の小学校に転校し、
だけど、まさか晴まで静岡に引っ越すなんて思っていなかった。
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1時間目が終わり、休み時間になった。
「今日からよろしくな」
晴が私のつく机の上に座ってきた。
「てか、転校早々女子の机に座る男子っているのかな?」
美優が言った。
「降りなさいよ!あんた、座るならイスでしょ?」
「はいはい」
晴は机から降りた。
「2人はどういう関係なの?」
美優が聞いてきた。
「アレ、前にも言わなかったっけ?幼馴染がどーたらって」
「うーん、なんだっけ?」
「じゃあ、もう一度話そうか?」
私は、晴との関係を話し始めた。
「あの日、私と晴はニューヨークの小学校で出会った。私は土曜日に日本人学校にも通ってたけど、出会ったのは普通のアメリカの小学校。
あのとき、英語もちょっとしかわからなくて、話せる人がいなくて、友達ができなかったんだ。
だけど晴が日本語の本を読んでたから、『日本語分かるの』って聞いた。
そしたら『分かる』って応えてくれたんだ。
晴はアメリカ生まれだけど、父親が日本人ってことを聞いた。
転校したばっかりの頃は、晴が英語で喋ってるところしか見たことなかったから、日本語が分かるって知らなかった」
「だから、おれに『英語教えてください』って頼んだんだろ」
「ちょっと晴。話してる途中でしょ?」
「まあ、そんなかんじで仲良くなったってわけだ。」
私は、悠真や琴香ちゃんと晴の関係も話した。
「へえ、そうだったんだ!私もニューヨーク行ってみたい」
「でしょ?」
そのとき、授業開始のチャイムがなった。
晴は教室の中心にある、学級委員長・
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