第87話
『あはは、マッキー! こっちだよ、こっち!』
公太君の家に来て、数ヵ月が経って。
僕の体はあっという間に大きくなって、公太君とあまり変わらなくなった。それでも公太君は僕をマッキーと呼んで、ずっと可愛がってくれる。
名前を呼ばれる度に、僕はたまらなく幸せな気分になった。
嬉しい、嬉しい、本当に嬉しいよ。
一緒に遊んでもらえて。散歩もしてもらえて。おいしいごはんもたくさんくれて。公太君の家族になれて。
公太君と散歩に行く度に、通りすがる人が言ってくれる。
『わあ~、すごい。ドーベルマンだ』
『西宮さんの犬だろ? さすが大手企業の社長さんはペットも違うなぁ』
『カッコいい! いかにもボディーガードって感じ!』
そんな声が聞こえてくると、公太君は得意気な顔をする。そして、改めて言ってくれる。
『マッキーは僕の自慢の家族だよ。これからもずっと仲良しでいようね』
当たり前だよ、公太君。
君は僕が守る。君をいじめる奴が出たら、僕がこの牙で思いっきり噛み付いてやる。
どんなものからも、必ず守ってあげるからね。
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