第56話
「さっきも言いかけたけど、俺は心霊弁護士の鳴海ってもんだ。お前らに話があって来た」
「ああ!? 話? こっちにはねえよ! 俺らは今、死ぬほど忙しいんだから、さっさとどけよ!!」
「死ぬほど忙しいって……毎日ここをグルグル往復してるだけだろ。あと、面倒くせえからぶっちゃけるが、お前らはもう死んでんだよ」
「それがどうした、オッサン! 生きてようが死んでようが、暴れられりゃ関係ねえだろ!」
「死んでまで、現世に迷惑かけんなって言ってんだ! 凶器準備集合罪と道交法違反に問われて裁かれっぞ! あと、俺はまだ28だ!」
心外な事を言われて腹が立ったのか、俊介は子供のように『心霊六法全書』を振り回してわめく。それを見て、麻衣は思わず呟いた。
「28なんだ、鳴海先生。もうちょっと若いかと思ってた……」
「何か言ったか、そこのチンクシャ童顔小娘」
「……っ! いいえ、何にも!!」
何よ、そっちは地獄耳の偏屈オカルト弁護士のくせにっ! という麻衣の恨みがましい視線を背中に浴びながら、俊介はさらにリーダーの若者に言った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます