第52話
†
レッド・ティアーズが使ったツインヒューイが、大通りから二十キロほど離れた廃校の校庭で見つかった。
降り立ったと同時にすぐ別の車で移動したのだろう。住民の通報で警察が駆け付けた時にはツインヒューイの中は空っぽで、大型車の轍(わだち)の痕しか残っていなかった。
警察はすぐに廃校の半径五キロ圏内に数々の検問を敷き、そこを通りかかる一台一台に聴取をかけ始めた。
その検問のうちの一つは、隣市の高層ビル街に向かう二車線道路で行われていた。
急ぎの商談の為にイライラしながら問答に応じるサラリーマン、重役出勤で比較的のんびりと順番を待つ女社長など、検問に対する反応は様々だ。
そのような中、一人の警官が高層ビル街には不釣り合いな大型キャンピングカーがやってくるのを見つけた。
ウインドウのガラスは全てうっすらと曇っていて、運転手の顔が確認できない。
警官は隣にいた仲間に「おい」と一声かけ、キャンピングカーを顎でしゃくってみせる。仲間もすぐに頷き、二人は検問の列に停車したキャンピングカーにゆっくりと近付いていった。
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