第21話
「これはあまりにも非人道的です。いくらテロリストだっていっても公開処刑なんて…」
「文句あんならやる気満々な政府に、特に法務大臣様に言えや。俺に当たるな、このバカ」
「大体、あわよくばこれでユウヤを捕まえようなんて。銃撃戦にでもなって、市民が巻き添えになったら…」
「そうならないよう、迅速に捕まえんだよ。もう黙れ」
轟木は、須藤の頭を平手で叩いた。手っ取り早く黙らせるには、これが一番だ。案の定、彼は納得いかない様子ではあったが、再び押し黙った。
轟木が須藤を不満に感じるのは、まさにこういうところだった。
真面目と言えば聞こえはいいが、何事も愚直でまっすぐというか…とにかく納得がいかないと思えば、誰彼構わず突っかかる。
本人いわく、「犯罪者といえども、正々堂々と戦いたい」らしい。全く、テレビゲームか何かと勘違いしてないか…?
轟木が辛うじてそう言わないでやっているのは、少なくとも彼にとって、その思いだけは真剣そのもので嘘偽りがないという事を知っているから。信念を持つ事は、刑事にとって大切な事だ。
ただ、不器用なだけだ。そう思えば、この不満も我慢できない事はなかった。
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