第13話
――同時刻。
ある街の郊外にうっそうと立ち並ぶ雑木林の脇に、一台の大きなキャンピングカーが停められていた。
まだ汚れも傷もない、真新しいキャンピングカーだ。十人は余裕で乗れるだろう。
だが、その車内の中に収められているのはキッチンスペースでもなければ、快適なベッドルームでもない。
あるのは所狭しと並べられた数多くのショットガンや38口径のニューナンブ・リボルバー、ライフル。それらを、二人の男が見つめていた。
そのうちの一人が一丁のショットガンを手に取り構えると、ヒュウと短く口笛を吹いた。
「…驚いたぜ?まさかこれだけ準備できてるなんてな」
「こんなもの、まだ一部に過ぎない」
「ああ、そうですか」
淡々と答えた相手に、ショットガンを構えたままの男は呆れたような溜め息をついた。
短い髪をワックスで立て、上下とも黒を基調とした服の上に、さらに黒いコートを羽織っている相手の男。
自分とそう年も変わらないはずなのに、何なんだこいつは…。彼は不思議でたまらなかった。
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