第24話

何となく酔いざましをしたくて、少々肌に寒い春の夜風の中を自宅に向かって歩き出した。


 進んできたアーケードの中を戻り、北に向かってまっすぐ進む。すると、その一角に一軒のコンビニが見え、塾帰りの寄り道なのか、制服を着た何人かの女の子達が入口の前を陣取っていた。


「おいおい…」


 僕の口から、呆れた溜め息が漏れる。彼女達の着ている制服が、僕の勤めている中学校指定のものだったからだ。


 まずは注意しなければ。そして家が遠いようなら、一人ずつ送ってやらなければ…。


 そんなふうに思いながら一歩近付くと、僕の存在に気付かない彼女達はぞろぞろと連れ立ってコンビニの中に入っていった。僕も後に続いた。


 彼女達は、全部で四人だった。


 一人は平均よりもだいぶ背が高く、中学生にしては大人びた顔付きをしている。二人目はやや下膨れで肩まで伸びた髪を二つに分け、三つ編みにしている。三人目は左頬にいくつかできているニキビが気になるのか、時折指でいじっていた。三人とも制服の肩の部分にデザインされているラインの色が薄い青色なので、今年三年生になるのだろう。


 四人目はその顔をすぐに確認する事ができなかった。何故か彼女は残りの三人にぐるりと囲まれているような形で立っていて、ずっと俯き加減でいる。なので、少々茶色がかったショートヘアと、両腕で学生カバンらしき物を抱えている様子しか見えなかった。

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