第56話
ホークアイは、机の上に置いてあるトランシーバーを手に取った。定時連絡の時間が近付いてきたからだ。
まあ、各階には他の仲間達が絶えず武装しているだろうし、外の連中もボスの出した条件に手をこまねいて、何もできやしない。
また、「こちらホークアイ、異常なし」の一言だけになるんだろうが…そう思った時だった。
数あるモニターの一つが正面玄関を映した。慌ててホークアイはそのモニターを固定し、手元のボタンでアップに切り替える。
モニターは、レッド・ティアーズのユウヤと本郷宗一郎を映していた。
「さすが、ボスだ。読みが当たった」
納得がいったように呟いた後、ホークアイは再びトランシーバーを手に取り、口元に運んだ。
「こちらホークアイ、現在ゲストが正面玄関を抜けて東側の階段に向かってる。本郷宗一郎が一緒だ、歓迎を頼む」
『了解』
『了解』
何人かの返事が返ってきたのを確認してからトランシーバーを切ろうとするホークアイだが、ふとそのうちの一人が怪訝そうな声でこう返してきた。
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