第53話
「ボス!レッド・ティアーズが、ユウヤが来ました!」
ゴールドはホールに戻ると、一直線にボスの元に向かって報告した。すると、ボスのまぶたがピクリと反応し、蛇のような目がゴールドを見た。
「そうか。で、ユウヤはどっちを連れてきた?」
「本郷宗一郎です」
「ふん、やはりな。これで決まりだ」
ボスは背中を預けていた壁から離れると、ホールの真ん中に座らせている人質達に歩み寄る。その目は、本郷紗耶香を捉えていた。
見る事はできないが、近付いてくる乱暴な足音と恐ろしい気配に、紗耶香は身動ぎする。ボスは紗耶香の顔の前にライフルの銃口をかざしながら言った。
「レッド・ティアーズがお前の爺さんを連れてきたぞ」
「…っ!?お祖父様が!?どうして…」
「さあなぁ~。でも、もっと不思議な事があるんじゃないか?」
「え…!?」
「お前の兄貴はどうしたんだろうな?可愛い妹がこんな目に遭ってんのに。逃げちまったのかなぁ?」
ボスは乱暴に紗耶香の襟元を掴み、無理矢理立ち上がらせる。「きゃあっ!」という紗耶香の叫び声がホールに響いた。
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