第44話
†
『キリング・アーミー』が立てこもったセンターの周辺は、警察やマスコミ関係の人間、そして事件を知って集まってきた野次馬達の為に騒然となっていた。
三つの要求を出して以降、『キリング・アーミー』は警察の呼び掛けには一切反応しなかった。だが時折、ライフルが連射されるすさまじい音がセンター内から聞こえてくるので、その度に彼らは身を竦め、ギリギリと歯を噛み締めた。
そんな彼らの中に、轟木の姿があった。
病院のテレビで自分の相棒が『キリング・アーミー』に捕えられている姿を見るやいなや、病院を飛び出していた。彼がどういう経緯でああなったのかは知らないが。
「…全く、とことん運のない相棒だぜ。人質が須藤だけなら、リハビリの最終調整かねて、俺一人で奴らを一掃してやるのに」
「冗談は病院の抜け出しだけで勘弁しろよ、轟木」
轟木の上司である国家危機対策安全課の課長が、戒めとも呆れとも取れるような口調で言うが、当の本人はあっけらかんとした表情で両手を肩の高さまで上げながら答えた。
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