(2)[77~92P]
第77話
「本当なのか?」
次にチリと喫茶店で会った時、僕は健司から聞かされた事の真偽を知りたくて彼女に聞いてみた。すると、チリはいとも簡単に「うん、そうなの」と答えた。
「ショウには最初から教えておけば良かったね。葵はケンの子供なの」
そう言って、チリはにこっと笑った。僕には全く理解できなかった。
「どうなってんだよ…」
半分呆けたようになってしまっている僕に、チリは明るく笑いながら説明を始めた。
「ほら。私達、成人式の帰りが遅くなっちゃったじゃない。ショウが帰った後、ケンとね…」
「寝たって言うのか?」
「うん、一回だけね。初めてだったんだけど、その時にできちゃったみたい」
「何、考えてんだよ…」
僕の中でふつふつと怒りが湧いてきた。いや、湧いてきたのはきっとそれだけではなかった。僕はチリを鋭く睨み付けた。
「何で睨むの?」
チリが首を傾げた。
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