第47話
†
「ふぅん。ケンがサラリーマンで、ショウは専門学校生か。何かいいなぁ…」
数時間後。健司も合流して、隣町にまで繰り出した僕達は、適当に見つけた居酒屋で成人祝いの飲み会を始めた。
アルコールにさほど強くない僕は最初の中ジョッキ一杯だけでもう顔が赤くなってしまい、それから後は烏龍茶ばかり飲んでいる。
一方で、健司とチリは二人合わせてもう何杯目になるかも数えられないほどに飲み続けているというのに、しれっとした顔で長々と話し込んでいた。
「そんなにいいもんじゃないさ」
ぐいっとビールを飲み干して、健司が言った。
「やれノルマだの企画だの、バカな上司からあれこれ言われてたまったもんじゃない。佐伯は佐伯で苦労があるみたいだし、なあ?」
「あ、ああ…」
いきなり話を振られた事に驚いて、僕は言葉を詰まらせる。健司のように話術が得意な訳でもなければ、チリのようにおしゃべり自体が大好きという訳でもないので、先ほどから聞き役に撤してしまっている僕を見て、二人は苦笑を浮かべた。
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