第8話
今日、チョコが狙い目として行ったのは、緑地公園から東寄りにある一軒のコンビニだった。
彼女はそのコンビニから予定通りのコスメを取ってくるはずだった。
チョコの腕の確かさが分かっているだけに、早紀は信じられないといった目を向けながらアトマイザーを受け取った。
「たまんなかったよ」
チョコが言った。
「何か、見た事のない店員がいてさ」
「何だよ、そいつ。新人?」
「多分。そいつ妙に張り切ってて、ずっと見られてたんだよ。それしか持ってこれなかった」
チョコが心底悔しそうに、ちっと舌打ちをした。
早紀はふうんと唸ってから、また足を組み替えた。
あのコンビニは、どこかの会社員だった五十代くらいの男が脱サラして始めたものである。
経営自体が初心者の上に、店の中のガードも相当甘いから、早紀達のようなチームにとっては格好の的だった。
だからこれまで、彼女達は簡単にいくつものコスメや本やらを取ってこれたのだ。
「面白いじゃん?」
早紀は、にやっと笑った。
「次は私が行くよ」
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