第3話登校日前夜
春山との1件から2週間近くたち、いよいよ明日が登校日。だが、夏休み特有の生活リズムの崩れにより中々寝れずベッドに横になりながら天井と睨めっこ状態。この2週間春山との接点は同じクラスってだけで連絡先も知らないため謝罪はできてない、明日直接話しかけるしかないのだが。
「話しかけるのだりぃ…」
俺は自慢じゃないがクラス及びに学校の女子とあまり話したことがない。別にハブられているとかではなく、部活や委員会にも入っていない俺には女子との関わりができずにいる。そんな俺が明日急にクラスの陽キャ的立場にいる春山に話しかけたら…。
「あの、春山この間の…」
「はっ?急に何の用?」
「いや、その、ショッピング…」
「もう意味わかんない、キモッ!!」
春山以外のクラス全員からも冷ややかな視線が向けられそうだ。自分で想像してなんだが悲惨すぎるので、ベッドで悶えていると枕横に置いたスマホから通知音が鳴る。なんだと思いスマホを持ち上げ、通知を見て思わずスマホを落としてしまう。
「ーーーっ、いてぇ」
丁度鼻に当たった痛みに耐えながらもう一度スマホを見た。そこには春山こよりの名前が表示されている。
(なんで春山から…?)
一瞬疑問に思ったが何となく察する。以前連絡アプリmiriでクラスグループを作った為そこから俺の事を追加したのだろう。
不思議に思いながら表示をタップし、認証する。そしてそこから怒涛の通知がきはじめた。
《笹原、この間の事覚えてる?》
《覚えてるわよね、忘れたとは言わせないんだから!!》
《あんたが…、あんたがあの場所に居なければ!》
《もう、ちょっと返信しなさいよ。既読付いてんの分かってるんだから!!》
この量を1分かからず送ってくる為、返信できず怒られてしまい、慌てて返信していく。
《返信遅くてごめん。》
《あのショッピングモールの事だよな》
《春山が泣きながら走って行ったから、覚えてる》
《泣きながらとかはいらないのよ!!》
春山の質問に対してそのまま返信していたら、また怒られた。
「あー、もうダルすぎる…。
次からはもう無視だ、無視」
俺が悪かったのかもしれないが、こんな風に怒られるのも面倒だった。スマホを置こうとした瞬間、通知がきて画面を見てしまった。
《とりあえず明日の放課後、校舎裏に集合して!》
これはもうなんて返信していいのか分からず、固まっていると。
《既読付けたんだから、とにかく明日来てよね!》
もう春山を止めることは出来ないので、大人しく従うことにした。
《分かった》
嫌で嫌で仕方ないが、10分もかかってないこのやり取りに疲れてしまいそのまま眠ってしまい翌朝頭を抱えた。
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