第5話    現実世界

メイリンと言う国が、繫栄して行ったのは遥か昔の事である。

メルシーが「あれ?アカリは?」とジャックスに声を掛けた。

ジャックスが「そういえば、居ないな」と向こうの森の木の下に居た。

アカリは現実世界に居て眠りに就いていたが、魔物にキュイインと雄叫びを上げて、アカリのすぐ近くまで迫っていた。

そんな夢を見て、目を醒ますと額には幾度となく汗が出ていた。

ユミコが「アカリ?夢でうなされて居たみたいだけど、どうかしたの?」とアカリの事を心配していた。

アカリが「あぁ、夢の中で魔物に突進してこられて、やられそうになる夢を見たの」とユミコに話をして居た。

ユミコが「ふぅーん。じゃ、異世界では本当に魔物と戦って居たのね?」とアカリに話し掛けた。

アカリが「そりゃー、当然だよ」と偉そうに手を腰に置いて立った。

ユミコが「それなら、一人で暮らしても安心ね」と話すので、アカリが「へ?何それ?」と驚いてユミコに尋ねた。

ユミコが「んー、私がもしかしたら、再婚するかもしれないって話は知らなかった?」とアカリに話をした。

アカリは「え?お母さん再婚するの?相手は誰?」と気になって聞いた。

ユミコが携帯を出すと「この人よ」とユミコと一緒に映る男性が居た。

アカリは「この人何て言うの?」とユミコに聞くと、ユミコは「この人は、和馬さんよ」とアカリの返事に答えた。

ユミコが「和馬さんは、昔から親が居なくて一人で仕事を見つけては頼もしく生きて来たのよ」と話を始めた。

アカリが「お母さんが今幸せなら、どんな相手でも良いと思うよ」と靴を履いて外へ出て行った。

外は蒸し暑く、歩いて居ると仄かに汗が首元に滴り落ちていた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る