第31話
あの時の彰も昨夜同様、言葉としては認識できない叫びを喚き散らし、ひたすら暴れ続けた。食堂から連れ出される際の、たった一言を除いて…。
それを思い出す度、克彦の胸は痛んだ。
「蓮井 彰…」
少年の名を呟いてから、克彦は何度も読み返して覚えてしまった『ファイル』の中身を小さな声で暗唱し始めた。
「犯行当時の年齢、十七歳。平成十八年八月三日、逮捕。翌年九月十一日、家庭裁判所にて行われた少年裁判で、少年刑務所収監が決定。抗告の申し立てはなし。罪状、強盗殺人…」
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