第14話
目の前にいるのは、少年だった。
髪をやや茶色に染め、身体付きもがっちりとしているが、頬ににきびの跡がいくつも残っている…。どう見ても、十代の少年の顔だった。
少年の腕の力が少し弱まったのか、彼が抱えていた大きな白い袋がバランスを崩し、その絞り口から出ているものがはっきりと見えた。
そこからはみ出ていたのは、瞼を閉じ、血の気が失せている十歳前後の少女の首だった。その頭から、鮮血の帯がゆっくりと流れ落ちていく…。
「頼むからさ…」
少年が、大人達に懇願するように言った。
「もう、皆で騒がないでくれよ…」
少年の瞳から、一筋の涙がこぼれた。
それは鮮血で染まった頬を伝った為に、まるで血の涙のように見えた…。
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