第10話
この男は、確かに『あのクソガキ』と言った。
当然、自分達を襲った犯人の事を呪って言った言葉だろうが、何か違うものを感じた。何かニュアンスが違うと言うべきなのだろうか、何かが…。
その時だった。
「隊長!隊長ぉ!」
明らかに、自分の後方にいる部下達とは違う別の声が家の外から聞こえてきた。
全員が一斉に声が聞こえた方向を見やる。
すると、ソファが置かれた位置より、さらに向こう側にあるアルミサッシの大窓を佐伯班の一人が懸命に叩いて、「隊長!」と何度も叫んでいる姿が見えた。
「どうした?」
と、声をかけながら、隊長は大窓に駆け寄った。しっかりと掛かってあった鍵を急いで開け、大窓をスライドさせる。
「何かあったのか?」
「犯人らしき男を、庭で発見しました!佐伯班全員で取り囲んでいます!」
その言葉で、隊長と飯沼班全員に新たな緊張感が走った。一瞬の間を空けて、彼らは大窓から庭へと飛び出していった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます