第1話

「あああああああ!退会しちゃってるじゃんかぁぁぁ!」

朝の電車のホームで、私はスマホを開いて絶叫した。

LINEのホームを開いてから、「みず卒業組」のグルラを開く。

みず卒業組の「みず」は、通ってた塾のニックネームみたいなやつだ。

塾長のみずき先生の名前から取っている。

グルラを開くと、私が前回喋ったところが出てくる。

「佐久間🎧」というLINE名から吹き出しで、

『島井らぶ🫶まじではやく見つけたい』

という私の昨日の発言が書いてある。

その下には、『🫶♡』のスタンプが、

これでもかと言うほど、連打されていた。

そこからスクロールして、みんなが喋った内容を確認して行く。

すると、ある一行の文章が輝いているのが見えた。

『 島井涼しまいりょう が入室しました』

うそうそうそうそうそ!

島井がグルラに入っただと!

まじかまじか!

狼狽えながらメンバーの一覧を開き、「島井涼」で検索する。

しかし、出て来たのは、

「検索結果が見つかりませんでした」

という文章だった。

どういうことだ!と、思い、トークに戻ってさらにスクロールすると、

『 島井涼 が退室しました』

という文章を見つけた。

なんで退出しちゃうのよぉ!

まじで最悪すぎるだろ!

という流れで、

私はプラットホームで悲鳴を上げてしまったのである。

海風みふ!めっちゃ迷惑だよ!」

あいに怒られる。

でもっっ!

これはぁっ!

重大事だよぉ!

「だって島井がぁ!退出してるんだよぉぉぉ‼︎」

藍に向かって思いっきり叫ぶ。

「お前がスマホの制限時間使い果たしたのが悪い。自業自得だわ」

ばしっと正論を突きつけてくる。

確かに私のせいかも……。

でも!

やっと手がかり掴めたと思ったのにぃ!

黎人れいとに島井の学校聞いたら、

「いうなって言われてる」

て言われたし!

私の愛をっ!なめんなっっ!

でも、本当に島井ってば、どこにいるんだろ……。

もうほとんど一年だよ……。

会ってないのは……。

電車がホームに滑り込んできて、藍と一緒に乗り込む。

座席に座ったその時、頭の中に、声が響いた。


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