第33話

「行く訳ないっしょ。俺、鬼神きしんしんっすよ。」

キシンノシン

何それ和真くんのニックネーム?


「鬼神の真が何だよ。どうせ3月迄だろ。」


「まだ半年ありますから。」


「まったく。融通の効かない奴だな。」


「アイツの為です。俺の側になんか置いとけない。」


「あ~あ。せっかく可愛い子紹介してやったのに。」


「紹介って…新人教育押し付けたんじゃないっすか。」

呆れたように言う和真くん。

私はかなりショックだった。


『行くわけない。』

『側になんか置いとけない。』

『押し付けられた。』


和真くんの口から出る言葉が心臓に突き刺さって痛い。


「まったく素直じゃねえな相変わらず。そんなんじゃ比名ちゃんに逃げられんぞ。」

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