第8話

ま、あのファッションの和真くんの隣を歩く度胸のある人はなかなかいないと思うよ。あ、お客様だっ!!


「いらっしゃいませっ。」

足取りも軽くなっちゃう。


「今日も元気だね。」


「若いですから。」

にっこり笑って言えば、


「うらやましいね。」

にこりと笑って答えてくれた。

やった!今日もお話しちゃった。


「ご注文はいつものブレンドでよろしいですか。」

席までご案内して確認をとれば、なにやら楽し気に笑ってらっしゃる。


「彼は恋人?」

くすくす笑いながら聞かれたのは意外な事で…。


「は…?」

対応出来なかった。


「やけに睨まれてるんだけど。」

お客様の視線の先には和真くん。


「ちっ違いますから。」

焦って大きな声が出る。恥ずかしい。


「ごめんごめん。からかって悪かったね。」

真っ赤になった私に謝ってくれるお客様。完全に誤解されてるじゃない。

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