第3話

「いいでしょ?このアロハ。お気に入りなんだ。」


「………」

青地にハイビスカスの花柄がお気に入りらしい。


「素足にビーチサンダルとか。」


「これスゲー楽だよ。比名ちゃんもどう?おすすめだよ。」

遠慮しておきます。そんな派手な格好したらママが目を回すと思う。


「せめて黒のレイバンは止めましょうよ。」


「ええ~っ。渡さんみたいで格好良くね!?」

レイバンのサングラスをツンツンと指で弾く和真くん。それ渡さんのイメージだったの!どう見てもチンピラだよ。しかも涼しい目元が隠れちゃうから凄く頭悪そうに見えるんだけど。


「はぁ~っ」

こっそり溜め息を吐くと


「着替えて仕事しましょ。」

説得を諦めた。


「おう。今日もよろしくな。」

にっと笑う和真くんはどう見てもヤクザだ。

せっかく上等な見た目なのに。これじゃ怖がって女の子近寄って来ないよ。

もったいない。

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