四幕

それにしても、花梨の奴本気のデートなんだろうか?いや多分練習だよな。練習に決まってる。


俺は良いところないし、顔も平均、頭は少し良い方か…そんな俺とデートなんて…何考えてんだろうな?


デートってどこ行くんだろうか?今日はそのデートの日だから気になるな。


約束したのが、火曜日だったから結構経ったんだよな…


あれから、気になって気になってしょうがなかった。デートってなにすんだろうか?デート…初めてだ!


「先輩。待たせちゃいましたか?」


花梨が後ろから声を掛けてきた。


「いや、待ってないぜ、いま来た所だ」


本当は三十分待ったのだが、カッコつけておいた方が良いだろう。


「うふふ、まあそういう事にしておいてあげますよ先輩」


どうやら見透かされているみたいだな。さすがに定番だったな。


カッコつけて失敗したな。まあ花梨が喜んでいるならそれで良いんだよな。


なんたってデートだからな。


「ちゃんと、先輩の誤解を解いてあげましたよ。なにかわたしに言う事があるんじゃないですか?」


「ありがとう。助かったぜ」


そういうと花梨は照れているのか、顔が赤くなっていた。


でも好きとかそういうのじゃ無いんだろうな…


それ以上を求めたら駄目だよな。それは馬鹿でも解る。デートの練習なんだな。


「じゃあ、大須観音行きますか!まんだらけに行きたいんですよ」


まんだらけか…名古屋市の大須観音駅(上前津駅の七番か八番出口の方が近い)にあるまんだらけか…そういえば行った事無いな…


でもあんな所に何の用があるのだろうか?まんだらけだから漫画でも買いに行くのかな?


そんな疑問を抱きつつ、まんだらけに向かう事になった。どうなるんだか?


天ヶ原駅から、名鉄で行き地下鉄で乗り換えて上前津に着いた。


それまでは他愛のない話をしていた。好きな食べ物や、好きな漫画の話をしながら。


「着いた、大須観音」


いや上前津な!でも大須観音と言ってもいいんだよな。一応大須観音(俺の意見は)の一部に入っているから。


しかしまんだらけで何を買うつもりなんだろうか?


まんだらけに着くと花梨は3階に向かった。3階は同人誌コーナーだった。


同人誌…嫌な予感がするんだけどな…まさかな?


「やっぱり、同人誌はいいですね!この同人誌なんか有名なアニメの同人誌何ですけど、主人公とその仲間のエッチなシーンとか…色々…」


意味わからん事を喋り始めてしまった。特にBLの同人誌に興味がおありの様で、その様な同人誌の説明をし始めてしまった。


いや俺はゲイでもホモでもバイでもないからな!


最近はジェンダーレスとかそういうのが、どうとかニュースで見た気がするが。


エッチなシーンとかはどうでもいいからな!


「あっ…すいません…早く買っちゃいますね」


急に恥ずかしくなったのか、大人しく買うことに…恥ずかしなら最初からするなよ


「すいませんでした先輩。先輩をそのキャラに見立てて話してました…本当にすいません。因みに先輩はゲイですか…」


「ゲイじゃね〜〜よ」


(本当のまんだらけには、著者が見た限りではゲイの同人誌は無かったです)



次に向かったのは、栄にあるBOOKOFFだ。いや漫画系の店によく行くな。


さすがにBOOKOFFには、同人誌は無いだろうから安心だけど…


BOOKOFFに着くなり、フィギュアのコーナーに行く花梨。フィギュアにも興味があるんだな。


フィギュアを見て興奮する花梨…フィギュアでもか…まあ花梨が楽しいならそれでいいんだけども…


「見て下さい…これは…こうで…こうなって…」


またしてもフィギュアの解説を始める花梨。また時間掛かるんだろうな…


ワン●ースのフィギュアを特に推している様子、ワン●ース好きなんだろうな…


「早く買いますね!因みに先輩は受けですか…攻めですか?」


「良くわからんが違う気がするんだよ!!」


BOOKOFFが終わり、帰路につく事に…電車の中で花梨は寝ていた。


寝言でレン兄と何回か言っていた…レン兄って誰だ?

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