三幕
嫌味な女子生徒の伊藤京香は、クリスが言うには良い子らしい。
いやあんな厭味ったらしい奴の、どこが良い子なんだ?意味が解らん。
妹達に弁当を届けた後、一人寂しく屋上で弁当を食べていた。
自分で作っといて何だけど、美味く出来てるな!結構いける。
「先輩、どうして一人で弁当食べてるんです?」
食べている所に、花梨が寄ってきた。
「ただ俺は一人で屋上で食べるのが、好きなだけだ」
「先輩って友達いないんですね。大丈夫ですよ、私が付いていますから・ね」
「話聞いてるか?別に付いてなくてもいいんだけど」
「どうしてです、先輩。わたしみたいな可愛い女子他にいませんよ」
「自分で言うなよ、じゃあ俺は行くから」
俺は立ち上がろうとして、急にふらつき倒れてしまった。なんか床が柔らかい…まさか
俺は花梨の上に乗っかっていた。
風が吹いていないのに、冷たい風が吹いたそんな予感がした。
「お兄さま、取り込み中でしたか、お兄さまのエッチ」
偶然アリスが来た所で、俺の今の状況をアリスは見て、手から火炎弾を飛ばすと、階段を降りていった。アリスにとんだ勘違いをされてしまったようだ。
しかしこの状況をどうやって説明したらいいんだ?説明のしようがない。
ちゃんと説明したら解ってくれるだろうか?
「それより、先輩早くどいてくださいよ。重いんですよ。それともこれからわたしと一緒に大人の階段のぼるんですか?わたしは大歓迎ですよ」
「お前が大歓迎だろうけど、俺は嫌なんだよ」
「なんで逆キレしてるんですか?理不尽にも程がありますよ?それより早くど・い・て・く・だ・さ・い」
「ごめん花梨、今どくよ」
俺は申し訳無さそうに言い、花梨の上からどいた。花梨は恥ずかしそうにしていた。
いやいや、あれは不可抗力だからね。俺がわざとそうした訳じゃないからね。
言い訳にしか聞こえないだろうけど、事実だからね。勘違いしないでね。
花梨は少し黙ると
「先輩、責任とって下さいね」
どう責任を取ればいいんだ?俺に出来ることかな?と色々な事を考えてしまう。
「それより、アリスの誤解を解かないと」
「その件なんですけど、先輩。先輩がわたしとデートしてくれるなら、アリスちゃんの誤解を解いてあげてもいいですよ♥」
デートか…いや誤解を解いてくれるなら、それに越したことはないけど、でもなあ…
「解った、デートしよう」
「先輩今週の土曜日の午前10時、天ヶ原駅(オリジナルの駅)集合です、一人で来て下さいね。デートなので」
「そうだよな、デートだからな、10時な解った」
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