Chapter 3 生還
『井戸端だな』
「はい」
俺は今WWAKの本部に連れられてきて、基本的な治療を終え、事情を話すこととなっている。
『お前が下級天使を殺害した武器であるこのKAR98k式歩兵式銃剣はお前の物か?』
今聞かれているのは、下級天使を殺害したこの祖父の銃剣のことだ。
「祖父が何かあったたときのために隠してあった物です。なので」
『お前のものだ』
は?いやいやいやいや
無理だよ?
「武器は火器ってことはぁ、第二部隊ぃ?」
後ろから声がした。
「第二部隊は、天使を駆逐する、駆逐部隊のことね〜」
は!?
やばい
この流れはやばい
大学で習った。こんな時に役に立つなんて…
WWAKは複数部隊に分かれている
などだ。第二部隊は確か…銃器を使う
『あとWWAKに来たからには死ぬか加勢するか選べ』
あ…
まじかよ
一気に空気が重くなった。多分拒否したら殺される。ここで。
「…加勢します」
『よし。じゃあまず教えなくてはならないことがある。』
「はぁ」
『一つ目はまずだなWWAKにはかなりたくさん異能力を持ってる者がいる。もちろん世間には伏せてあるがな。』
「は!?」
『二つ目は、お前は井戸端家だな。お前の祖父は。46年前、インターフェクター研究所でインターフェクターに殺された。』
「あ?あ?」
情報の大洪水
理解追いつかない
無理無理無理
あ“あ“あ“あ“あ“!!!!
『まぁ常人には理解できないよね〜』
横で女性の声がした。
多分女性の声を生で聞いたのは六年ぶりだ。
『あとで私がしっかりお勉強してあげようかw〜』
なんなんこいつ
…!?
『これがヴァレリア・フォン・チュメオの能力、拘束だ』
「あのぉ下ろしてもらっても…」
とりあえず下ろして欲しい
『あーちょっと黙ってて〜』
見えないけど何かが口を覆って喋れなくなった。
「まぁあまり手荒なことはやめてやれよ、ヴァリレア」
『りょーかい〜』
まさかこいつ…
『じゃあまずその態度から矯正してあげようかw〜』
怖い
『わぁ〜怖がってる〜かわい〜』
メンヘラかこいつは
何故かじっとこっちを見ている
『…とりあえず場所変えようか〜私の部屋でお勉強教えてあげるね〜』
いやな予感しかしない
蛍光灯で照らされた廊下を俺は拘束されたまま引きずられていった
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