第2話 彼と私の恋電車 始まりの夜②
高校1年生の夏…夏服になると更に増す痴漢。
今まで、お尻に触れてくる程度だったものが…
スカートの中まで手を入れてくるようになっていた。
それまでは、ただ当たっているだけなんだと思っていたのが確実になる。
認めるしかない…まさしく、痴漢だと。
だけど怖くて声を出せなくて、我慢していたら…指が下半身に触れてきたんだ…。
多分、私は真っ青になってた。血の気が引いて…吐き気がした。
その瞬間、私の前に現れた人。
その人は痴漢の腕を掴み、無言で威圧した。
私を助けてくれた男性はその日から、私の隣に乗り合わせ痴漢から守ってくれていた。何も言わずに。
声をかけてくることもなく、声をかけることもなく。
だから彼の事はほとんど知らない。
独自に調べた情報は、些細な事しか得られず。
彼は、同じ最寄り駅の高校に通っている(制服と校章でわかった)
2歳年上(先輩と呼ばれてたのと、3月以降会わなくなったから当時3年生だったと推測)
そして私が乗る駅の次の駅から乗車。
よく聴いている音楽は洋楽(イヤホンから漏れてたから)
身長は170後半ぐらい?(私の額に唇がくるぐらいの身長差)
爽やかで、それなりのイケメン。
きっと女子にモテるだろうな…っていう見解。
顔は覚えたけど、名前を聞く勇気はなかった。
彼の友人と思われる人物が彼の事を『マサキ』って呼んでた。だから…きっと、それが名前なんだと思うんだけど。
結局、助けてもらっていたお礼も言えていない。
そうだな…あれからかもしれない。
私は間違いなく高校1年生の時、彼に恋してた。無言で助けてくれている王子様。
言葉も交わした事ないのに、特別な扱いをしてくれる彼に惹かれていた。
遠くから彼を見つめた日々。
あの笑顔、あの声、思い出すとキュンとする。
原点はいつだって彼なんだ。
彼が卒業して、私の隣には誰もいなくなった。そこからは再び痴漢の日々が始まり、私は部活も辞めて混まない時間帯に電車を変えた。
部活をやめた高校2年の夏に初めて彼氏ができた。同じクラスの男子で、グループで遊んでた延長。一種の流れってやつ。
まわりが付き合ってるから、自分達も付き合うか?ってなったのだ。
そして周囲の流れに取り残されない様に、初めて男女の関係をもった。
若いんだよね…一度しちゃうと、そればっかり。それだけの為に付き合ってる感じだった。
ちょっとそれが嫌で、拒んだら…その次からは無くなった。
他の女子と良い感じになって、そっちに走ったんだ。半年くらい付き合い、クリスマス前の別れ。
予定が無いから、クリスマスもバイトをしていたら…同じバイト先の大学生に声をかけられた。
その彼とは1年付き合った。
だけど彼は就職活動、私は大学受験ですれ違い…自然消滅。
実際には最初の方だけ付き合っている感じだった。多分、後半の半年間は会っていないから。
短大に入ってからは、バイトして、1人暮らしして、付き合いで合コンに参加して…。
その間の交際期間は長くて半年。最短1ヶ月。
社会人になってから付き合った人は長くて約2年の交際。でもその彼は結局、他の人と結婚した。二股で、本命彼女とデキちゃった結婚。
本当に男運がないんだ。
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