番外編 2:灼熱の契り
# 刃に宿る想い - 番外編 2:灼熱の契り
鷹乃道場に春の訪れを告げる桜が咲き誇る頃、十四郎と椿丸は新たな試練に直面していた。二人の関係を快く思わない隣国の大名が、道場の存続を脅かしていたのだ。
「このままでは...」
十四郎は眉間にしわを寄せ、道場の縁側に座っていた。その横で、椿丸も心配そうな表情を浮かべている。
「何か良い方法は...」
椿丸の言葉に、十四郎は深いため息をついた。
「ああ、一つだけある」
「それは?」
十四郎は真剣な眼差しで椿丸を見つめた。
「お前と別れ、大名の娘と政略結婚をすることだ」
その言葉に、椿丸の顔から血の気が引いた。
「そんな...」
十四郎は静かに椿丸の手を取った。
「冗談だ。お前と共に歩む。それが俺の決意だ」
椿丸の目に涙が浮かぶ。
「十四郎さん...」
その時、突然の叫び声が二人を驚かせた。
「先生!大変です!」
駆け込んできた弟子の顔は、青ざめていた。
「どうした」
「妖刀使いが...妖刀使いが現れたそうです!」
十四郎と椿丸は顔を見合わせた。
「行くぞ、椿丸」
「はい!」
二人は急いで準備を整え、妖刀使いの現れた場所へと向かった。
そこは、深い森の中にある古い祠だった。不吉な気配が、辺りに満ちている。
「来たか、十四郎...椿丸...」
闇の中から、妖刀使いの姿が現れた。その手には、禍々しい光を放つ刀が握られている。
「お前たちの力...その秘密を知りたくてな」
妖刀使いの言葉と共に、激しい戦いが始まった。
刃と刃がぶつかり合う音が、森中に響き渡る。十四郎と椿丸は息を合わせ、妖刀使いに立ち向かう。
しかし、妖刀の力は凄まじく、次第に二人は追い詰められていく。
「くっ...」
十四郎が膝をつく。その傍らには、既に倒れている椿丸の姿があった。
「ふふふ...これで終いだ」
妖刀使いが刀を振り上げる。その時だった。
「十四郎さん...」
椿丸が、かすかに目を開けた。その瞳に、強い想いが宿っている。
「椿丸...」
二人の手が重なる。その瞬間、不思議な光が二人を包み込んだ。
「な、なんだこれは!?」
妖刀使いが驚いて後ずさる。
光に包まれた十四郎と椿丸は、ゆっくりと立ち上がった。二人の体が、まるで一つであるかのように輝いている。
「妖刀使い」
十四郎の声が響く。
「私たちの絆が、お前の妖刀を打ち砕く」
椿丸も声を重ねた。
「二人の想いは、どんな闇よりも強いのです」
そして、二人は同時に手を前に突き出した。
まばゆい光の束が、妖刀使いを貫く。
「ぐあああああ!」
妖刀使いの悲鳴と共に、その姿が光の中に溶けていった。
光が収まると、十四郎と椿丸は再び地面に立っていた。
「終わったな...」十四郎がつぶやく。
「はい...」椿丸が答える。
二人は再び強く抱き合った。その時、椿丸は十四郎の耳元でささやいた。
「十四郎さん...私を...」
その言葉に、十四郎の体が熱くなる。
「椿丸...ここで?」
椿丸は頷いた。その目には、燃えるような情熱が宿っていた。
十四郎は椿丸を抱き上げ、近くの木の幹に押し付けた。
唇が激しく重なる。舌が絡み合い、互いの味を貪るように求め合う。
「んっ...十四郎さん...」
椿丸の喘ぎ声が、十四郎の理性の糸を切り裂く。
着物が乱れ、肌が露わになる。十四郎の唇が椿丸の首筋から胸元へと移っていく。
「あっ...そこ...」
椿丸の声が、森の静寂を破る。
十四郎の手が椿丸の腰を掴み、両足を持ち上げる。
「いいのか?」
「はい...お願いします...」
椿丸の言葉に応えて、十四郎が一気に貫いた。
「あああっ!」
椿丸の声が木霊する。
激しい律動が始まる。木の幹が軋むほどの勢いで、二人の体が重なり合う。
「十四郎さん...もっと...もっと!」
椿丸の求めに応えて、十四郎の動きがさらに激しくなる。
汗が滴り、吐息が混ざり合う。
二人の体が一つとなり、互いの存在だけを感じ合う。
「椿丸...俺は...」
「私も...十四郎さん...!」
絶頂の瞬間、二人の体が弓なりに反る。
そして、互いの名を叫びながら、深い快楽の淵に沈んでいった。
しばらくの間、二人は言葉もなく抱き合っていた。
やがて、十四郎が静かに口を開いた。
「椿丸、俺と...」
椿丸は十四郎の唇に指を当てた。
「はい、十四郎さん。永遠に、あなたと共に」
二人は再び口づけを交わした。長く、深い口づけ。
それは、二人の永遠の契りの始まりだった。
その後、十四郎と椿丸は力を合わせ、大名の脅威から道場を守り抜いた。
二人の絆は、どんな試練をも乗り越える強さを持っていた。
そして、新たな道場を開いた二人は、剣の技だけでなく、心の在り方も教えるようになった。
「刃に宿る想い」
それは、十四郎と椿丸が歩んできた道の名前であり、これからも二人が共に歩んでいく道の名前でもあった。
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