第11話

「みなさん、こんにちはー! エクレールです!」

 さいしょにサングラスをとって手をふったのはリーダーの美谷島みやじまくんだ。優しげな丸い目元。いつもMCをつとめている彼はやっぱりセンターにいる。

 そのすぐ右横にいたすらりとした人がつづいてサングラスとる。

「今日は、一緒にめいいっぱい楽しい時間を過ごしましょう!」

 彼の名前は藤波くん。親友の夏陽がファンだからよく知ってる。知性派って感じの涼やかな目元。藍色の髪がさわやかだ。

「みんなに会えてうれしいよー!」

 リーダーの左どなりで、愛内あいうちくんがぴょこんと飛び跳ねた。グループの中では最年少、高校一年生の彼は、つやつやの髪の襟足が少し長くて、やんちゃな雰囲気だ。

「今日は思いっきり遊ぼうぜ!」

 そう叫んだのはそのさらに左の成瀬なるせくん。リーダーと同じ最年長の兄貴キャラらしい。

そしてさいごに、藤波くんのとなり――舞台の右端にいた、あいつがサングラスをとった。

「貝ヶ浜のみんな、元気かーーっ!」

 めちゃくちゃハイテンションでそう呼びかけると、負けないくらい大きな声援が返ってくる。

 それを満足そうに笑顔で受け止めた彼は、ぐっと親指を上に突き立てた。

 弾んだ音楽が、流れ出す――。

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