第4話:AM114583セルあたり

もっと言うと、もう少し昔に、もっと変なものに収まったこともある。


あれはどうしようもなく仕事の忙しい時期だった。

疲れのせいで、午前中はまっすぐに歩けないくらいだった。

一日の大半の時間、Excelを睨ん過ごしていた。


不覚にも寝落ちし、ふと目が覚めると、Excelのセルの中にいた。

せまい。ひどくせまい。

どうしたものかと考える。上下左右のセルは相談相手にもならない数字。

あぁ、もうこの仕事は辞めよう、そう思った瞬間だった。


午前午後に関わらず、ひとはまっすぐに歩けた方がいい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る