第2話:クラゲでも、ミジンコでもよかったのだが

昨夜は荒れていた。ひどく荒んでいた。

腸に何が詰まっているのかわからない、おなかが痛い。気持ちも悪い。

食べる量、食べるもの、ずっとずっと 気を付けていたのに。


僭越ながら、夕飯のおかずを紹介しよう。

はんぺん焼き、卵焼き、甘海老のお刺身、ジャガイモのお味噌汁、ごはん

これらを少々。

みな柔らかく、なんの食べ応えもない食材ばかりだ。

夫には本当に申し訳ないと思っている。成人男性が食べて喜ぶメニューじゃない。

夫はそんな歯がいらないようなメニューでも、黙って付き合ってくれる。

余計に情けなくなる私。


憤慨した私は、悔しくて、つい言ってしまった。

もう、イカになりたい!


胴体が透明なものだったら、なんでもよかった。

クラゲでもミジンコでも。

体をスケルトンにして、腸に何が詰まっているのかを見たかった。

その野望をつい口にした、やけくその投げ台詞だったのだ。

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