第5話 父の部屋

 父親の仕事部屋に入ると、父親が床の戸を開けて地下に行く。

 梯子を丁寧に降りると。そこはジムのようなトレーニングルームと射撃訓練のレーンが三レーンあった。

「父さんこれは?」

 踵を翻し、父親が説明する。

「ここは私が自衛隊特尉になったときに。国から支給された金で造った場所だ。実をいうと家も同じく国からの支給を受けて建てたんだ。」

 なるほど。だから防音性が高く広いのか……

 すると地下にもモニターがありミライが見ている。

「やっとこのモニターからお父様の御活躍を見ることができるのですね。」

 目を輝かせて父親を見つめるミライ。それを見た父親は苦笑いして。

「流石に僕が仕事してるのを見られてはいけないから、戒斗達が訓練に使うときだけ権限を解除するから。そこは諦めてくれ。」

 そう聞くと、ミライはモニターの中で落胆して肩を下げた。

 仕方ない。父親の仕事は内容はだれも知らないのが重要だからだ。

 まぁここを使わせてくれるのは有り難い。

 設備としては、シャワールーム・給湯室・にスパーリングを行える広い空間に、サンドバッグが3個とルームランナーが2台。かなり充実している。

 4人で設備を見ているとミライから連絡が入った。

「お母様から晩御飯だそうです。」

 もうそんな時間か……

 リビングに戻り、晩御飯のパスタに舌鼓をうっているとニュースが流れた


――神崎市にて連続殺人事件――

 

事件の内容としては、神崎市で同一の殺害方法で国際学院の学生が殺されているとのこと。警察は同一犯として調査を進めている。また、この事件を受け国際学院は警備を増やした上で通常より短縮して授業を行うとのこと。


 最近こうした殺人事件が頻繁に起きている。世の中もかなり物騒になったものだ。しかし。本当に同一犯なのだろうか?

 どう見ても被害の有った場所の距離がかなりバラバラで一人ではなく複数人によるもので、もしかすれば場所によっては防犯カメラに犯人が写っていればいいのだが……まぁいつもどおり警戒することに変わりわない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る