第2話 総合学院
国際総合学院
在学学生数4桁を超える大きな学院で全ての学科を持ち、あらゆる学問を学ぶ事ができる最先端の学園だ、ちなみにだが現在の首相もここの出身だ。
近年この学院の卒業論文にてとんでもない論文を出した人がいる。内容は。『パラレルワールド及び
しかし、うまく行かない。異世界の言語が地球にある言語を複雑に絡めた感じというか……表現が難しい。何せ実際の言語を知らないのだから……半ば諦めている。
ふと何処かのバスケ顧問の言葉を思い出す。
『諦めたら…』それ以上はいけない。
そんなことを考えながら。気づくと昼になった。
やけに学院の前庭が騒がしいので行くことにした。
人集りの真ん中に人と獣の混種が倒れていた。周りの人間は得体の知れない何かに話しかける勇気もなく獣医なのか医師が必要なのかを話している。
すると、獣人が立ち上がり誰かを探すような素振りをしながら歩き出したが、急に力が抜けたように倒れ込む。
「大丈夫ですか!?」
野次馬を掻き分け倒れた獣人に声をかけた。
「――――――」
か細い声で何か話しているのはわかったが。雑踏と人声に飲まれ、よく聞こえない。
耳を寄せてもう一度尋ねた、すると。
『グゥ~!』
とお腹の鳴る音が聴こえた。
空腹か!
「誰か!食べ物を!!」
すると、周りに居たロードバイクサークルの一人が栄養補給食品を渡してくれた。
「これでいいなら…どうぞ……」
受け取り開封して体を起こさせて口元に運んだ。すると、予想が的中したのかすごい勢いで食べた。
「!!!モティスノ……」
嬉しそうに。そして、美味そうに食う。やべぇめっちゃカワイイ……
食品を渡してくれた、ロードバイクサークルの人に食費を渡し、サークルに戻ってもらった。そして獣人の方を見ると食べ終わっていた。
「スアシラグ!!!」
獣人が何か言ったがよくわからないので、どうしようか考えていたとき、ふとアイヌ語を翻訳した学者を思い出した。
『“何"にあたる言語を聞いて全部聞きだせばいい』
そこで、講堂からそのまま出てきたので、持ち合わせた、ノートに意味のない絵を書き見せた。
「レソニナ?」
ビンゴ!取り敢えずノートに今聞き出せた言葉を書く。
レソニナ………レソニナ→ナニソレ……!!
じゃあさっき言ってたのは……
『スアシラグ』→『グラシアス』
法則が見えた気がする。
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