第一部 SUTとの戦い

第1話 普通の生活

ピピピッ……ピピピッ……カチッ…

 覚ましを止めて背伸びをする、いつもと変わりない、パジャマのまま下に降りて、顔を洗い、リビングに戻ると、液晶のモニターが点く。

「おはよう御座います。」

 とAI特有のイントネーションでミライが言う。

「おはよう。」

 俺はオーブンにパンを入れながら応答し、振り向くと牡丹がいた。

「おはよう御座います。戒斗。」

さすが忍び、音もなく現れたが牡丹本人は気づいていないのが、何というか勿体ない。

「寝坊した!」

と燐が慌てながら降りて、同室の牡丹に向かって

「起こしてくれないの。なんで!!ねぇ!!」

いつもどおり文句を言うが牡丹は食器を片付けなら。文句に対し返答する。

「起こしましたよ。」

燐は頬を膨らませ不服そうにしながら、トーストを齧りつく。

「そろそろ着替えては?」

 と。ミライに言われ時計を見ると。30分を過ぎていたので。食器を片し部屋に戻りパジャマを着替え、最近のトレンドに合った服を着て学園に持っていく教材を持ち、玄関を出た。最近は暑く晴天が続いていたが。今日は珍しく曇り空で少し涼しく感じた。

 学院まではバスが出てるため近くのバス停に行くだけでいい。

「遅ぇぞ!戒斗」

 以前からの友人の空がいつものように声を掛けてくる。

「至っていつも通りで時間も遅れてねぇぞ?」

「そうですよ。」

 数秒空いて牡丹が答え、走って来た燐は肩をゆらし息を整えている。

 しばらくして燐が落ち着いた頃に通学専用バスが来た。バスに乗ると、ある程度皆自分のお気に入りの席に座り、近くに座ってる知り合いと話し始めるが俺は例外でまぁ、分野もあるのだろう、何せ厨二病の発展したようなものだから。

 しかし、一人だけ例外が居るそれは…

 自称幼馴染の美樹だ。彼女は小学校からの付き合いで、人目を気にせずにズカズカとプライベートに入って来る。少し天然混じりだ。

 空が俺の横に美樹が座ったのを見て羨ましく見つめてくるが当然だろう。彼は入学時に美樹に告白したが、変態だからというのと、戒斗がタイプだからと振られたが、まぁ…当然ではある。過去に空は、すれ違う同級生の女子に対して下着の色を聞いたり初恋やプライベートな事を聞いたりして。余りの気持ち悪さに生活指導を受けた事があると隣のクラスで噂になっていたが事実だ。

 空の性格については半ば呆れている。空いわく、アイデンティティらしいが。ただの変態だと周りは言っている。というか確定で変態だと俺は確信している。そしていつか犯罪をするだろうとも思っている。

 そして、研究のことを考えてるうちに学園についた。

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