現実では味わえない、感動と刺激がここにある。

この作品の1番の魅力は主人公とその仲間たちの「心」だ。物語が進んでいく中、少年少女らは常に学び、経験し、成長していく。正しさがひとつでは無いこと、思い通りにいくことなんてこの世にはひとつも無いこと、そして「自分」を持つこと。沢山のことを身をもって体験していくそのを、臨場感ある文章によって読者もその場にいるかのように見ていくことが出来る。また、登場人物らに牙を向ける多くの敵へも向ける「心」のありさまは、読んだ者をはっとさせるに違いない。
次にある魅力は、作者のキャラクターへの姿勢だ。作品を読んだ読者がキャラクター 一人一人に感情を寄せられるような工夫。キャラクターを登場人物としてではなく一人の「生きる者」として描いている。笑い、嘆き、迷い、進む。その1字1字に作者のキャラクターへの思いが詰まっているのだ。
どうかそんな「アヴィリオン」を、このレビューを見た貴方にも見てみて欲しい。きっとすぐにその世界観の虜になるだろうから。