第7話 犯罪者予備軍か?

「ふっ」

鼻で笑ってしまった。

いや馬鹿にしてないよ。なんだか可愛いんだもの。

何をしてるんだろう、あの子。

廊下で友人と話していると、今日も賑やかな隣のクラスが見える。

常に全力で生きてる感じがする。

喜怒哀楽激しい。特に楽ね。

笑い声が聞こえると一緒に笑ってしまう。

「可愛いよなぁ」

「なにが?」

「いや、何がというか、あの子可愛いよな」

「え、そうか?」

「あれ?可愛いと思ったんだけど」

お前もなんか面白そうにしてたような。

「いや、面白いよ。笑い方特徴あるし」

でも可愛いとはちょっと違うだって。

「気になってるんだな」

「そ、そうなのか?」

「いや、だって結構見てないか?」

「見て……るな。あっ、もしかしてやばい?」

見える場所にいると、ついつい目が追ってしまう。

「どういう意味か分からないけど、もう戻れない感じではあるね」

俺もしかして犯罪者予備軍か?

焦って震えてしまう俺に、友人は笑顔で大丈夫だ落ち着けと言う。

付きまといとか、変質者的なあれにはまだなってないらしい。今は。

友人にはやばそうだったら制止するように頼んでおいた。

自然な感じで遠目に見るだけならセーフとの事。


良かった。迷惑な存在とかなりたくない。

それにしても、そうか。

俺、あの子を気に入ってるのか。

いや、気になっているのか。


そうか。そうなのか。そうだったのか。

そう言われればそうかもしれない。



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