第35話
二人の間に気まずい沈黙が流れた。
「じゃ、じゃあ。私はこれで。お話の邪魔してすみませんでした」
「…….」
頭を下げて歩き出す直前。見えたその人の顔はとても悲しそうで、今にも泣き出しそうで。
何だかこっちまで切ない気持ちになる、そんな表情だった。
「(そりゃ、覚えてないよね。三年も前のたった少しの時間だったし)」
でもちょっと、
「つまんないな」
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