第27話

「どこかに連れて行きたいの?」



私の言葉がわかったのか、押すのをやめると路地の奥の方へ歩き出した。



「ま、待って」



慌てて追いかけた。今までこんなことなかった。何事だろう。




小走りでついて行くと、人が言い争ってる声が聞こえてきた。まさか。




その声はどんどん大きくなって。



「待って!」




小声で呼び止めたけどそんなの御構いなしに、その子は喧騒に飛び込んでいった。

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