第3話

えーーーー!?



いた!


ちょっと離れたところにいた!



わたしと零点+α男がいる食事処近くの雪の上、振り返ったところに彼はいた。スキーウエアでもスノボウエアでもない、え、私服…?な恰好をキメているその登場人物は確実にわたしと零点+α男の方へと顔を向けていて、ということは今の声は確かで。



あっ髪が透けるような日だまり色だ!!



きれい……。



「ちょっとー人がナンパしてる最中に他の男にときめかないでよ」


ちょ、聴こえないわ最早雑音と化したわ。


わたしは振り返ったまま彼の耳を見る。見つめる。ワカラナイアレが。


「みみ!あいてます!?」


鬼気迫って問う。


コクリと頷かれて胸がトゥンク、となった。鳴ってしまった。胸の鐘。


ごめん零点+α男。


わたし、こっちの彼がいい。


「「正直すぎる」」



耳があいていて三白眼。



一見して怖い…けど…雨の日に子犬を拾ってあげるかどうかは、もうどーーっでもいいわ。いい。いいよいいよ~~!



「呼、びましたはい」

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