第5話
だ、だめだ!!
やっぱり可愛過ぎるよ!!!
大事だからって…。
今時!?
もうあたし、キスできなくてもいいかもしれない…。
「ごめんね…」
そう言って、また伏せってしまう。
いや、もういいよ…!
十分だよ!
心の中で小躍りするあたし。
「でも」
「ん?」
「美紀がキス、してほしいなら…」
と、青江くん。
「…え!ええ!?」
いいの!?
“してほしい”って言ったら、してくれるの?
「ごめん…。俺、こういうの上手くできなくて…」
いやいやいや!!
そんな青江くん以上に良い彼氏なんていないよ!!!
青江くんがそういうのに慣れてたら、逆にショックで倒れちゃうよ!
「いやあたし、そういう青江くんが好きなんだよ!」
「っえ!?」
まさかの青江くんも不意打ちで伏せっていた顔を上げる。
「…そうだ。あたしも、いつも心の中で思うことが多くて、ちゃんと青江くんに言ってなかったんだよね」
「っ」
青江くんは声にならない声を出した。
それから、手を伸ばしてあたしを抱きしめた。
「わ、青江くん!?」
「俺も。…好きだよ、美紀」
心臓が、凄くドキドキいっている。
付き合って結構経つのに、どうして青江くんから言われるたったこのニ文字がこんなにも嬉しいんだろう。
「…、…よし!」
「?」
急に気合いを入れたあたしをびっくりして見る。
「青江くん。じゃあ、ほっぺで良いので…」
「へ」
振り出しに戻って、青江くんはきょとんとする。
「キス、してください…!」
「…っ!!」
青江くんはやっぱり真っ赤になって目を見開いた。
あたしは目をきゅっと瞑る。
「えー、はは」
青江くんの、空笑いが聞こえる。
ドキン、ドキン…
――青江くんの声が、聞こえなくなった。
「…~~ッ」
青江くん、きっと、今真っ赤だ――…。
ちゅ
「…っ」
青江くんは、ついにあたしのほっぺにキスを落とした。
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