2話

第4話

「どうかしたの?」


青江くんはあたしの顔を覗き込んだ。


「いやー、あはは…」


あたし、笑うしかないよね。



ハッ

待てよ?これ、青江くんにも見せた方が良いのでは…?

だって、これはふたりの問題(?)な訳だし…。

気まずくなるなんて、言ってられないんじゃあ…!?


あたしは心の中で意見の取っ組み合いをする。

そして、ついに決意した。



「あ、青江くん」


「ん?」


「実は、ね、鞠子からこんなメールが」


「…」

あたしは携帯をやや上に向かって見せる。

青江くんはその画面を不思議そうに見つめた。



「……ッ、…ッ!?」


案の定、目に見えて真っ赤になっていく彼。

声も、出ないくらい。



か、かわ…!

…おっと。なんて言ってられない。



だって、あたしも正直、青江くんとキスしたいんだもの!



でも…。



青江くん、爆発でもしちゃうんじゃないかと思って、怖くて言えなかった…。




「あ、危な…っ!」


やっぱり、後ろによろめいてしまった青江くんの腕を急いで引っ張った。


青江くんは、顔を伏せてしゃがみこんでしまう。



「大丈夫?青江くん」

あたしも合わせてしゃがみこむ。


「……。美紀、ごめん…。俺、美紀にずっとキスできないかもしれない…」



「え!?何で…」




「俺…。美紀のこと、凄く大事で…。だから」




青江くんは、真面目に、すっごく恥ずかしそうに目だけを上げてあたしを見た。



…ぐぬうっ!!

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