第68話
さいきん、思考はここで行き止まる。
「本当、人間ペットみたいな扱いなのね、妖怪様からしたら私。それは感じているけどどうして私?って……ああ〜でもペットは普通どうしておれが選ばれたんだ?とか思わないよね」
「……、可哀想に」
「否! 全然ペットに関しては納得いってないよ!? 正直な現状を述べただけでありまして」
「あー…、うん、まぁいいわ」
何だか曖昧な返事をする善くん。
「キリティーはその妖怪のことどう思ってるの」
「恐い。凄く自分勝手で自分本位で、常に生命線を握られている感じがして逆らえない。体格差もえぐいけど、最近気が付いたのは力が強い。急に持ち上げられたりすると酔うし、乗し掛かられると肺が潰れて呼吸ができない」
「…本当にペット視点の感情ね…」
確かに、と驚きながら相槌をうった。流石だ。
そんな善くんは過去を振り返って妙に納得を深めている私をじっと見据えて黙った後、
「でもそれでも一緒に居るって、意外と好きなのかもよ?」
と、声を落とした。
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